U-mic News

代表者である吉田 英憲と、そのほかさまざまな得意分野をもつ経営コンサルタント(広島県在住)が、専門知識と経験から得た「役に立つ」情報をまとめたフリー情報紙(企業支援者向け)です。

最新号(2017年8月)

 

着地型観光の成功事例(書評)

 

そうだ、星を売ろう 「売れない時代」の新しいビジネスモデル 永井 孝尚 KADOKAWA

 

 本書は、2015年に6万人もの観光客が訪れる長野県・阿智村の「日本一の星空ナイトツアー」の誕生秘話を物語にして構成されています。広島の旅行代理店でも、この星空ナイトツアーのパックツアーとしてパンフレットが置かれています。

 

 この阿智村には昼神温泉があり、元々は中京圏の企業団体客を中心に潤っていたものの、2005年の愛知万博をピークに客数は減少傾向となりました。地域では値引合戦が繰り広げられ、廃業する旅館も出始めていたようです。

 

 そこで、阿智村の本当の強みを見つけた結果、2006年に環境省実施した「星が最も輝いて見える場所第1位」という強みを活かして、星空ナイトツアーを生み出したのです。本書では、この星空ナイトツアーの誕生秘話、今の成果に至った苦労を小説仕立てでわかりやすく描かれています。前回ご紹介した、SNSなどの情報発信の取り組みも記載されています。そして単なる読み物に終わらずに、経営理論と絡めながら、阿智村での経緯を解説しています。その根底に横たわるのは、以下のジョン・P・コッターの「変革を推進するための8段階のプロセス」(ジョン・P・コッター)です。

 

①危機意識を醸成する。

②変革推進のための変革チームを組織する。

③ビジョンと戦略を生み出す。

④変革のためのビジョンを周知徹底する。

⑤変革行動への権限を与え従業員の自発を促す。

⑥短期的成功、小さな成功を実現する。

⑦成果を活かして、さらなる変革を推進する。

⑧新しい方法を企業文化に定着させる。

 

このジョン・P・コッターの考え方が地域づくりの核となると本書では解説しています。

 

着地型観光に取り組まれる方、地域での取り組みを推進する方にとって、取り組みの疑似体験できる良書だと思います。 

 

 

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2017年8月号
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