U-mic News 2015年

代表者である吉田 英憲と、そのほかさまざまな得意分野をもつ経営コンサルタント(広島県在住)が、専門知識と経験から得た「役に立つ」情報をまとめたフリー情報紙(企業支援者向け)です。


2015年12月号

<12月号の記事>

「ビックワード」は誤解の元

 

  「ビックワード(Big Word)」という言葉ご存じでしょうか? その言葉通り、大きな言葉、すなわち「抽象的な言葉」という意味です。経営者から発せられるビックワードと言えば、例えば、「ビジョンを掲げる」「営業力・マーケティング力を向上する」「ブランディングをする」などが挙げられます。話を聞きながら、分かったような、分からなかったような気になる場面も多いのではないでしょうか?

 ある小売・サービス業で「ブランド」に変わる支援をしております。この「ブランド」という言葉もビックワードで、いわゆる高級ブランドのイメージを持たれる方もいらっしゃれば、何かの賞を受賞することと認識される方もいらっしゃると思います。また、「ブランディング」という言葉になると、ロゴマークなど見栄えの見直し(より素敵にすること)をお考えの方もいらっしゃると思います。

  話を戻して、自社のブランド価値を高めたいと依頼で支援開始したところ、支援当初は社長と私のブランドに関する認識が異なり、時折ちぐはぐな会話が繰り広げられてしまいました。

 改めて、ブランド価値向上の取り組みに関わる全体像をお見せしたところ、社長自身がまず取り組みたい・支援して欲しいところは、ブランドが目指す姿やブランド・プロミス(お客様への約束)の整理などであるということで共通認識でき、その後は順調に支援しております。

  このようにビックワードは抽象的な言葉であるがゆえ、話し手の意図と異なり、聞き手が勘違い・誤解してしまいます。そこで、お互いが全体と部分を共有し、お互いの目線合わせをする時間を折に触れて持つことが重要だと改めて感じました。

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2015年11月号

<11月号の記事>オススメ本のご紹介

上司の常識は、部下にとって非常識

榎本 博明 著(PHP研究所)

 

 経営者や管理職とお話をしていると、「最近の若者は分からない」というあきらめの発言をお伺いすることがよくあります。このことは現代に限らず、古代エジプト時代から同じような世代間の格差にまつわる不満があるようです。

   今回ご紹介する本書は、心理学者の視点で現代の若者がどういう心理で行動・発言しているのかを事例を通して解説されています。本書は4章の構成になっており、2章では今の若者に見られる行動とその対処の方法が書かれています。

   例えば

   「言われたことしかしない」

   「言い訳が多い」

   「謝罪ができない」

   「権利ばかり主張する」

  といった、経営者や管理職からよくお伺いする若者の約30にもおよぶ行動について解説されています。

  3章では若者の視点から上司をどう見ているのかが解説されており、

    例えば、

   「部下を育てる意識がない」

    「気分でものを言う」

    「信念がなく尊敬できない」

    「精神論ばかり語る」

  など若者が上司に対して考えている約30にもおよぶ感情と、対処法が記載されており、上司として自分の行動を見つめ直すきっかけになります。私自身もハッとさせられる項目もいくつかありました。

 4章では、このような若者の心理・行動・発言の裏には「キャリアデザイン教育」「褒めて育てる教育」が影響していると述べており、うなずける部分が多くあります。

 今後、業種を超えた人材獲得競争が激化する中で、人材の定着がますます重要になってきます。この人材の定着に関わることをリテンション・マネジメントとも呼ばれ、会社全体で取り組むべき課題と考えております。事例が豊富であり、人材のことで悩んでいる経営者や管理職に是非読んで頂きたい一冊です。

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2015年10月号

<10月号の記事>

戦略マップで未来を「見える化」する

 

 先日、女性経営者を対象にした戦略マップ作成セミナーの講師を担当しました。戦略マップとは、右の写真のようなイメージで、将来達成したいビジョン・目標のために、何をすべきかを筋道を考えてまとめたものです。将来への道筋という意味でマップ(地図)という言葉を使用されています。

 支援先にて、社員の方とお話ししていると、「将来どうしたいのか、社長の考えがよく分からない」「社長が言うことがよく変わることがあり、どの発言を優先して良いのか分からない」という声をよく聞かれます。この戦略マップは、経営者の戦略の「見える化」を手助けするものであり、戦略の検討のみならず、社員と共有を容易にします。そこで、以下のような方に戦略マップをオススメしております。

 (1)これから何をすれば良いのか思いつかない

   (2)何から手をつけて良いのか整理できていない

   (3)経営者の考えは整理できているものの、幹部社員・社員へうまく伝えられない

   (4)社員と今後について考えているものの、いつもまとまりなく終わってしまう

   (5)社員に経営について教えたいものの、うまく伝え切れていない

 

 戦略マップの作成方法はシンプルで、(1)目標、(2)会計(売上と利益)、(3)お客さま、(4)業務、(5)学習(組織づくり・人づくり)という5つの視点で目標を設定していきます。

作成の流れは、大きな目標に向かって、当面の売上・利益の目標設定をおこないます。その後、お客さまの視点にて、当社が選ばれる理由を考えていきます。通常の事業計画では、この視点が抜けがちです。戦略マップでは、顧客に選ばれる理由を十分に検討することで顧客に選ばれるために、どのような業務・どのような学習をしていくのかを具体的に考えることができます。今回のセミナーでは、経営者一人で考えてもらいましたけれども、複数のメンバーで考えたり、後継者、経営幹部に考えてもらったりするのも一案です。

 セミナーのまとめで、以下のこともお伝えしました。事業計画作成のお手伝いするときに、実施項目が盛り沢山となり、結果どれも達成できないというケースが見受けられます。そこで、以下の質問でもう一度ご自身を含めたメンバーの業務を見つめ直します。

   ①重要なことを増やす

   ②重要でないことを減らす

   ③新しいことを始める

   ④あることを完全にやめる

 

  これは、アメリカの経営コンサルタントのブライアン・トレーシーの言葉であり、戦略マップで①と③を考え、それを実現していく時間を生み出すために②と④を考えていくこともあわせてお伝えしました。

 

  セミナー受講者の中から、戦略マップに対して「つながりを意識して将来を考えると分かりやすい」「箇条書きの事業計画書よりもやりたいことの整理がつきやすい」との意見を頂きました。戦略マップは戦略を「考える」「共有する」道具であり、この道具を使ってうまく未来を描き、目標の実現に役立ててもらいたいと思います。

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<9月号の記事>

「割れ窓理論」と会社の秩序

 

  「割れ窓理論」という理論をご存じでしょうか?これは経営・マーケティング用語ではなく、環境犯罪学用語です。ある建物で割れたまま修理されていない窓が放置されると、それがきっかけに割られる窓ガラスが増え、建物全体が荒れ、結果として無法状態の雰囲気が周囲へ伝わり犯罪の呼び水になり、いずれ街全体が荒れてしまうと考え方です。つまり、小さな綻びがきっかけとなり、大きな荒廃を生んでしまうという考え方です。逆を言えば、小さな綻びを速やかに修復し、大きな荒廃の発生を未然に防ぐことができるとも言えます。

  実際の事例として、1994年検事からニューヨーク市長になったルドルフ・ジュリアーニがこの理論を用いて治安回復に努めました。具体的には、地下鉄の落書き清掃や無賃乗車の撲滅をはじめとして、未成年者喫煙・万引き・花火・駐車禁止・交通違反・飲酒運転の厳罰など軽犯罪を徹底的に取り締まりました。一部からは、重大犯罪を率先して取り締まるべきとの批判もあったものの、結果として殺人事件は3分の1に、発砲事件は4分の1に、 犯罪件数全体でも6割もの減少となりました。

 これを経営に当てはめてみると、新たな取り組みに対して成果が出やすい会社は、社内で一定の秩序が保たれており、おこなうべき活動が見事に実行できているケースが多いです。一方で、秩序が保たれていない会社では、糸が切れた凧のように社員が身勝手に動き、おこなうべき活動が残念ながら実行されない、もしくは徹底されない状況が見受けられます。

 それでは、秩序を保つにはどのようなやり方があるのでしょうか?「割れ窓理論」を応用すると、企業内で小さな取り組みが徹底されていることが秩序を保つ条件です。具体的には、皆さまがご存じの「5Sの徹底」「あいさつの励行」などは、まさに小さな取り組みの一例です。「5Sの徹底」「あいさつの励行」はそれぞれ直接の効果があるものの、私が考える真の目的とは、「守ることを決めて、決めたことを守る」風土を作ることだと考えます。それゆえ、会社として、5Sやあいさつの直接の効果のみを伝えるのではなく、真の狙いも含めて伝えることが重要だと考えております。ただし、秩序を保つために規律ばかりになると、組織は硬直するため、一方で自主性を伸ばす取り組みも重要となってきます。このバランスが強い組織を作っていくのだと考えています。

2015年9月号

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2015年8月号

<8月号の記事>オススメ本のご紹介

GEの口ぐせ 安渕 聖司 著(PHP研究所)

 

 業種問わず、さまざまな会社にお伺いしていると、業績が好調な会社では、統一された価値基準・判断基準で社員が働いているケースがよく見受けられます。それは社長も社員も同じ発言をしていることで分かります。すなわち、「口ぐせ」を真似ることで、価値基準・判断基準が社内へ浸透し、社風・社内文化と呼べるまでに至ったと言えます。

 今回ご紹介する本書は、グローバルカンパニーであるGE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)に根付く口ぐせについて、日本GE株式会社 代表取締役である著者がまとめた一冊です。社内用語を含めた40の口ぐせがどのようにGE社内で使われているのかエピソードも交えながら、GEの強さと背後にある考え方を伝えています。みなさんの職場や支援先でも活用できそうな、GEの口ぐせを2つご紹介したいと思います。

 

『それ、もっとシンプルにしようよ。まだまだ、複雑だよ』

 これはGEでは「シンプリフィケーション」(簡素化)と呼ばれる取り組みにまつわる口ぐせです。組織や業務を簡素化し、スピードを取り戻し、結果的にお客さまへのサービスレベルを向上させる取り組みです。「シンプル」は「効率化」に近い考え方かも知れません。しかし、「シンプル」の方が、その意図を社員により正確に伝えていると思います。

 

『計画は分かった。それで、ちゃんと実行したのか?』

 これはGEでは「Say Do Ratio」と呼ばれる社内用語にまつわる口ぐせです。「Say Do Ratio」とは、直訳すると「やる(Say)と言ったことのうち、実際にやり遂げたこと(Do)の比率」という意味です。どの会社でも計画を立案しても、実行しないケースが見られます。しかしGEでは、言いっぱなしは尊敬されないような文化が「Say Do Ratio」という言葉に代表されていると思います。

 

 他にもいろいろな口ぐせが記されており、GEの文化(カルチャー)の一端に触れることができます。文化に関して、本書では以下のように書かれています。「ルールを作っても、ルールを守るかどうかはカルチャーに影響されます。電話帳のような分厚いルールブックを作って配っても、誰も読まないかも知れない。しかし、何かのベースになるような基本方針やカルチャー、行動基準があれば、社員は一人ひとりが適切に対応できるようになります」。

  マニュアルともルールとも違う、口ぐせが社員の価値基準・行動基準に影響を及ぼし最終的には文化になっていくと私自身、これまで支援した経験からそう考えております。

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2015年8月号
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2015年7月号

<7月号の記事>

目標設定において大切な4つのこと

 

現在、支援先にて社員の目標管理制度の見直しのご支援をしております。数年前に自社独自に目標管理制度を導入したようですが、十分に機能していないことからご相談を頂きました。支援において感じた、目標設定における大切な4つのことをお伝えしたいと思います。

 (1)自分の将来像を経営者と共有する

  目標管理制度は本来、自ら目標を設定し、目標の達成に向けて取り組むものと言われています。本人による目標設定は、本人の自発性を引き出す意味で重要な視点です。しかし、自発性が乏しい場合は、目指すべき目標とはかけ離れたものになるケースが多いです。今回ご支援した会社では、自分の将来像を会社(経営陣)と共有する場を設けることで、その将来像に向けて、どのように成長していくのかを本人に考えてもらいました。そうすると、その将来像に向けて何をレベルアップすべきなのかが明確になり、目標らしい内容になります。

 これは会社のビジョンと戦略を考えること同じプロセスですので、イメージがお分かり頂けると思います。

 

 (2)目標を成果目標・行動目標に分けて考える

 今回の支援先で感じたことですが、目標に対する理解が各人違っているようでした。「売上○○円を達成する」ということを目標にしている方もいれば、「○○研修を受講する」ということを目標にしている方もいらっしゃいます。今回整理したのは、ご自身が達成したい目標を『成果目標』、その達成の為におこなうべき行動を『行動目標』としました。先の例で言うと、「売上○○円を達成する」は、『成果目標』であり、その目標金額を達成するために、何をおこなうべきかという行動目標を考えていきます。一方で、「○○研修を受講する」は『行動目標』であり、行動目標を遂行することで何を得たいのかという成果目標を考え、さらにそれが将来像とどう結びつくのかという、つながりを考えていきます。

 

 (3)目標を定量・定性で考える

 目標を成果目標・行動目標に分けたのち、具体化するため、定量化・定性化を図ります。もちろん、目標が定量であるのが望ましいのはご存じの通りだと思います。数値化できないものは管理できないとも言われます。ただし、数値化にこだわるが故、将来像や本来の狙いとかけ離れた数値目標になることを否めません。そこで、定量化が困難な場合は、定性目標の設定を検討することになります。ここで気をつけるべきは定性目標の場合、抽象的になりやすいため、より具体化を意識することです。例えば「○○業務を習得する」という定性的な目標を設定する場合、習得できた「その時の状況」や「その後(翌年)の状況」を考えると、より具体化することができます。

 

 (4)振り返りができる内容にする

 最後に、目標の内容が「後から見て内容が分かる」「誰が見ても同様の理解である」ということも重要です。これは、経営計画でもよくみうけられることで、半年後や1年後にその目標を見返すと、「この目標ってどんな内容だったかな?(抽象的すぎて思い出せない)」「達成していると言えば達成しているし、達成していないと言えば達成していない(抽象的すぎてどのようにでも解釈できる)」というようなコメントがよく聞かれます。目標設定時に、「後から見て内容が分かる」「誰が見ても同様の理解である」ということを意識して書いていないために起こる現象です。そのため、半年後、1年後見ても、目標設定時の狙いが思い出されるような記載が重要です。

 

 

 以上が、目標設定における大切な4つのことです。個人の目標設定に限らず、全社の経営計画、事業計画でも同様に活かせると思いますので、みなさまのご支援のヒントになれば幸いです。

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2015年7月号
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2015年6月号

<6月号の記事>

お客さまにとって「喜び」を具体的に伝える

 

 「いいね!」が集まる写真が撮れる、スマホレンズ。

   これは、とあるメルマガで見かけた商品のキャッチコピーです。この「いいね!」というのは、ご存じの通りFacebookの「いいね!」です。このキャッチコピーでは、商品の機能や性能をPRしておらず、その商品から得られること、お客さまにとっての「喜び」を具体的に伝えています。お客さまは、よい写真を撮ることだけを求めておらず、そこから得られる喜び(ここでは、Facebookで「いいね!」をもらえる)も求めています。このことはマーケティングでは、ベネフィット(便益)とも表現することもあり、このベネフィットを考えることが重要と言われています。参考までにメルマガでは、このキャッチコピーでお客さまの興味を引いたあと、その商品をどういう場面に使用するのか、その場面で使用したときに、どのような性能を発揮するのかを紹介しております。

 これは消費者向けの商品に限らず、企業向けの商品にも通じます。前職のIT関連の営業時代の話になりますが、お客さまに提出する提案書を上司にチェックしてもらうときに、「この提案書はお客さまにとって、どのようなことで喜びを感じるの?」と指摘され、提案書を書き直した経験があります。提案された商品・サービスにお客さまが「喜び」の段階まで感じない限り、購入にはなかなか至らないということを教わったよい経験になっています。

 一方で、他社との差別化で言えば、その喜びが他社では達成できず、自社でしか達成できないのであれば、差別化ポイントとなります。その喜びを、どうやって達成できているのか?、なぜ他社ではできないのか?を具体的に示されると、当社以外の選択肢をなかなか考えにくくなります。

  言い方を変えれば、お客さまの喜びに関係しないことを売り手が伝えたとしても、それは売り手の自己満足のセールストークにしか過ぎません。食品メーカーで、こだわりの製法などよくお伺いしますが、それがお客さまの喜びにとってどうなのかを明確にしない限り、お客さまには響かない内容で終わってしまいます。商品を購入することによるお客さまの喜びをじっくり考えることが、会社の良さ、商品の良さを磨き上げるものになります。お客さまの声を集めて、その声と自社の取り組みなどを両面から検討し、他社にはない「自社らしさ」をPRしていくことが重要だと考えています。

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2015年6月号
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2015年5月号

<5月号の記事>オススメ本のご紹介

「ゲーム・チェンジャーの競争戦略」 

 内田和成 著  日本経済新聞社

 

 本書は、現在の企業間における競争が、これまでの業界内の競争だけにとどまらず、異業種の参入等により激化している様子を、著者の独自の切り口にて、まとめられています。書名の「ゲーム・チェンジャー」とは、激化した競争において、業界のルールを変えてしまうプレイヤーです。

 このゲーム・チェンジャーによって、

 ・競争の土俵が変わる

 ・競争の相手が変わる

 ・競争のルールが変わる

と本書では述べています。ゲーム・チェンジャーには、「秩序破壊型」「市場創造型」「ビジネス創造型」「プロセス改革型」などがあり、企業(コストコ、東進ハイスクール、Amazonなど)の事例を示しながら、それぞれの特徴を分かりやすく解説しています。

  「秩序破壊型」「市場創造型」「ビジネス創造型」の事例では、既存にない製品やサービスを生み出したり、新しい儲けの仕組みを生み出したりと、その事例企業の斬新なアイデアや、著者による新たな視点の提示が大変参考になります。しかし、すべての企業がそのようなことを実現できるとは限りません。

 一方、「プロセス改革型」は、製品やサービスを届けるまで「プロセス」を変えることで新たな価値を生み出し、それまでの競争のルールを変えることができます。先月、お伝えした、「知的資産経営」においても、企業のプロセスを棚卸・分析することで、お客さまの喜びをどのように生み出しているのかを確認し、更にどのプロセスを改善・強化すべきかを検討していく場面があります。これは、「プロセス改革型」のアプローチと似ています。

  全体を通じて、事例は豊富にあり、かつ分かりやすい表現で説明されているので、思いの外、さっと読めてしまう一冊です。大手の事例がほとんどですが、ご自身の身近な企業に当てはめて読むと、より理解度が増すと思います。

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2015年5月号
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2015年4月号

<4月号の記事>

 昨年秋より、特許庁の調査事業に参画し、

先日「知財評価を活用した融資の促進に関する 調査研究報告書」が完成しました。

※掲載先: http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/zaisanken.htm

の「(4)知財評価を活用した融資の促進に関する調査研究」

 本報告書は、「金融機関による知的資産経営支援編」「知財評価書を活用した融資の調査編」の2部構成となっており、前者のパートにて、当方、小倉ともう1名のメンバーで広島県内の金融機関と、そのお取引様をサポートさせて頂きました。

 サポート内容としては、知的資産経営の考え方・視点を金融機関職員と企業の方に伝えながら、職員が積極的に企業の良さを発掘し、●図のような資料にまとめるものでした。作成資料の詳細については、以下をご参照ください。(http://www.smrj.go.jp/keiei/chitekishisan/059975.html (独)中小企業基盤整備機構・事業価値を高めるレポート)

 調査事業には我々3名のメンバーの他、東京都・大阪府・石川県の金融機関でも、ほぼ同様の支援をおこないました。当方も委員と参加し、他の委員との議論の結果、金融機関が取引先企業の知的資産経営を支援する意義として、

 (1) 企業からの信頼を獲得する本業支援

 (2) 金融機関職員の能力開発

があると認識しております。

 多忙な金融機関職員、経営者の方が毎回数時間にも及ぶヒアリングを繰り返し、企業の良さを見つめ直すと共に、将来に向けたビジョンと、更に必要な強みを整理していきました。そのプロセスの中で、金融機関職員、経営者との信頼関係が一層強固なものとなり、また非財務に関するヒアリング能力アップに繋がったと、私自身感じただけでなく、金融機関職員、取引先の経営者からも同様の声をいただきました。

※詳しくは報告書99ページ以降をご確認ください。

 

 金融機関職員に支援するのは、当方にとって初めてでしたが、非財務視点や業務プロセスに関するヒアリングが学びになったというコメントをいただきました。金融機関職員にとって、前向きに企業の良さを見つけ出すお手伝いができたのではないかと思っております。

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2015年4月号
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2015年3月号

<3月号の記事>

人が変わるきっかけ

 

 多くの社長から、幹部候補の社員が「やらされ感」を感じることなく、新しい取り組みをしてもらいたいとのご相談を受けます。一方、幹部候補の社員の中には、現状から次のステージに移りたいと思ってみても、自分自身のどの部分を変えるとよいのか悩んでいらっしゃる方も見受けられます。

 とある会社では、自己診断ツールを活用して、自分の長所・短所を自己認識してもらいました。通常、短期研修の場合は、短所を知って、今後の目標設定をおこなうのみにとどまる場合が多いです。しかし、今回は長期間にわたる研修(月1~2回の支援を半年以上)であり、その短所を改善に貢献し、かつ幹部育成に伴う実務直結の支援をおこないました。

 私にとって、初めての試みでしたが、半年後社長からのコメントをお伺いすると短所がずいぶんと改善されたことをお伺いしました。

 自分の改善点が具体的に分かるようなツールでしたので、幹部候補自身、意識を集中させて改善することができたようでした。しかしながら、ツールがあれば、成功するものでありません。本人が幹部になりたいという思いがベースにあり、自分の足りない部分を直したいという心底の思いがあってこそ、変革ができたのだと思います。

 別のケースでは、部門別損益や損益分岐点や原価計算といった計数管理を学ぶことで、幹部候補の意識が変わるケースも垣間見ました。

   人が変わるスイッチは、これといった特効薬はなく、多種多様なのだろうと思います。その方にフィットしたスイッチを短期間で見つけ出し、変わるきっかけを提示するのが私たちの支援者に求められることだと思います。それにより、本人にとっても、会社にとってもプラスになるような支援ができたらと思い、今後もきっかけの引き出しを私自身、多く持つことができたらと思います。

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2015年2月号

<2月号の記事>

「仮説」と「思い込み」の違い

 

 先日、生産管理研修にて、問題解決の進め方について、お話しさせて頂きました。問題解決において、網羅的に調査・分析するのではなく、仮説(仮の答え)を持って効率的に問題解決に取り組む重要性をお伝えしました。

 しかし現実には、「仮説」ではなく「思い込み」や「決めつけ」で問題解決を進めてしますケースがあります。では、「仮説」と「思い込み」との違いは何なのでしょうか?

『目標達成力が10倍アップする!技術』(藤森将昭著 すばる舎)によれば、次のように整理しています。

 

   仮説思考は one of them(いくつかの1つ)

   思い込みは only one(唯一)

 

  仮説思考では、仮説はいくつかの選択肢の一つですので、その選択肢が間違っていれば、ほかの選択肢を模索します。一方、思い込みは、信じて疑わないため、ほかの選択肢を探そうとしません。

 

 このように、問題解決においては、いくつかの選択肢を挙げて、その中から仮説を持ち、問題解決することができるかどうかが重要なポイントだと考えています。

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2015年1月号

<1月号の記事>

「脱皮できない蛇は滅びる」 

 今年は未(ひつじ)年ですが、羊ではなく蛇の話題で始めたいと思います。年末年始に見たテレビ番組の中で、とある経営者が「脱皮できない蛇は滅びる」とコメントしていました。このフレーズを調べてみると、哲学者のニーチェの言葉の引用でした。脱皮すること、すなわち自分を変えることができないものは、滅びてしまうということを意味であり、その経営者も変化することの重要性を訴えていました。ちなみに、このフレーズには、「意見を脱皮していくことを妨げられた精神も同じことである。それは精神であることをやめる。」と続きます。

 好むと好まざるとに関わらず、世の中は変化していきます。その変化にいかに対応するか、もしくは考えや意見を変えていくかが、企業にとっても個人にとっても重要なことだと思います。

 お茶を扱う会社を訪問すると、必ずおっしゃるのが「家庭や会社に急須が置かれなくなった」ということです。ご存じの通り、ペットボトル茶などの普及により、次第に急須の存在価値が次第に薄れつつあります。日本酒においても、他のアルコールの台頭により消費量が減っているのはご存じの通りです。

 このような環境変化について、私の周りといえば、最近自宅でキッコーマンの生醤油が食卓に並ぶようになりました。始めは醤油差しの姿ではなかったので違和感を感じたのですが、何日か経つと当たり前のようになりました。こうなってくると醤油差しを使うシーンが減ってきており、このことは醤油差しを作るビンメーカーにとっては今後脅威になってくるのではないかと思いました。

 このように、競合品や代替品の台頭による自社商品の需要低下は、食品に限ったことではなく、生産財・サービスにも同様の現象があります。そのことに嘆くだけでとどまっているのか、脱皮し新しいことに取り組むのかが、経営者の力の見せ所だと思います。

 当然ながら、自らが変化を起こして、新たな市場を獲得する事例も見られます。例えば、この時期、よく見られるマスクなどは、単に風邪予防・花粉症対策だけでなく、寒さ対策や化粧をしていないのを隠すような新しい用途を見出され、それに沿った商品も多く出ています。

 先日もある経営者と話をした時に、「20〜30年前と異なり、すでに自社の商品を使う必然性はなくなった。現代生活の中で、いかに自社商品を溶け込ませていくかが重要である。」との話をお伺いしました。その企業は、自社の技術を活かして、現代生活にあった商品を開発し、多くの販路を拡大しておられます。

  企業は環境対応業とも言われますが、今年一年、私自身「脱皮できない蛇は滅びる」を肝に銘じつつ、支援先企業においても、変化することの重要性を随時お伝えできたらと考えております。

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