U-mic News 2018年

代表者である吉田 英憲と、そのほかさまざまな得意分野をもつ中小企業診断士・経営コンサルタント(広島県在住)が、専門知識と経験から得た「役に立つ」情報をまとめたフリー情報紙(企業支援者向け)です。

2018年6月

 

「考える」ために、付箋を使っていますか?

 

 デスクの引き出しなどに置いてある付箋。多くの方は、書類や本など目印として、またメモとして使っていらっしゃることが多いと思います。その他、周りの方への伝言メモなどに使ったりすることもあるでしょう。前者は、実務で使う付箋。後者は、コミュニケーションで使う付箋。今回は、更に「考える」ために使う付箋の活用をご紹介します。

 

 企業内でコンサルティングやファシリテーションなどをおこなっていると、議論が空中戦にならないように、関係者の目線を合わせるために議論での発言内容などを活字にして「見える化」していきます。そこで活用するのが付箋。例えば、参加者全員の意見を書き出してもらい、ホワイトボードに貼って、議論を整理したり、問題解決や対策案検討など付箋を貼り替えるなどして、筋道を立てて考えることに使っています。皆さんも研修などでそのような使い方をしたことがあるかも知れません。

 

 私もこのようにコンサルティングやファシリテーションで繰り返し付箋を使っていると、1人で考える時でも付箋が使えそうだと、ふと思うことあり、付箋を使って1人で考えることをおこなっています。例えば、支援先の企業での問題を1人で付箋に書き出して並べてみたり、行うべき計画を優先順位づけに並べたりなどです。また別の場面では、セミナーやコンサルティング、報告書にてお伝えする内容の骨子を付箋で検討する等いろいろな場面で使うことが出来ます。考える時はパソコンに向かうよりも、紙とペンで考えることに集中した方がよい場合もあります。

 

 このように付箋は実務やコミュニケーション以外に、考える(思考する)時も使えます。これら、実務スキル・コミュニケーションスキル・思考スキルの3つのスキルは、カッツモデルで提唱される、ビジネスに求められるスキルに分類されています。付箋を実務・コミュニケーションだけに使うのではなく、思考スキルもアップできると思いますので、是非使ってみてください。

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2018年5月

 

ビジョンや目標が達成できないのは、行動に分解できていないから

 

 先月、とある支援機関様のご依頼で、経営計画策定セミナーでお話しする機会がありました。経営計画策定のセミナーでは、「ビジョンの重要性」「計画の重要性」について学ぶことは多いかも知れません。

 

 今回は、そのビジョンを達成する「目標達成のコツ」「実行のコツ」についても少しお話しをさせて頂きました。いろいろな会社・お店を支援させて頂く中で、目標や計画を立てても、実行できないのは、目標や計画が行動できるレベルまでに「分解」出来ていないことが多く見受けられます。その際には、目標・計画=大きな石に例えてお伝えしています。目標・計画が大きな状態であったら、初めはその石を動かそうとやる気をもっていますが、そのうち心が折れたり、面倒になったりすることもあります。そして、日常業務に振り回されて、折角立てた目標・計画が実行できていないこともよくあります。

 

その一方で、「〇〇社長は行動が早い」という話をお伺いすることがありますが、それはその社長の頭の中で行動できるレベルまでに分解できている証拠かも知れません。

 

 コンサルティングやセミナーでは、その経営者や事業主が次の一歩、二歩動けるよう、ビジョン・経営計画から行動レベルまで分解するお手伝いをしていきます。まさに目の前にある大きな石を砕いて、一つ一つ動かして、石を動かすといったイメージです。他人から見れば、小さな石に見えても、本人にとっては大きな石と思うこともよくあります。

 

 経営者も人であり、特に経験がないことに二の足を踏む方もいらっしゃいます。その時に経営者に寄り添い、行動レベルまで分解する支援も伴走型支援において、求められることの1つだと考えています。

 

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2018年4月

 

「導線」を強化するためのオススメの2冊

 

 企業・店舗からのよく頂くご相談の1つとして、売上アップがあります。経営者のお話をお伺いすると、良いところは十分にお持ちなのに、PR・営業がやや不十分と思われるケースが多くあります。

 

 その時に「導線」という言葉を使って、改善策を考えていきます。導線とは元々もWeb集客でよく使われる言葉で、「お客様を自社へ導く線」という意味です。すなわち、お客様に「どのように」Webサイトを知ってもらって、「どのように」複数のページを見てもらって、「どのように」問い合わせ・購入をしてもらうかと観点でWebサイトを設計していく考え方です。

 

ご相談を頂くときには、ネットだけでなく、リアル(チラシなど)を含めて導線設計全体をまず考えていきます。その際には、業種の特性だけでなく、季節性やお客様との関係性などその企業・店舗にあった導線設計を考えています。お金をかけずともできる導線設計が多くあり、まずは出来るところから、ご提案し、実行してもらい成果を出してもらっています。

 

 さて、今回はその「導線設計」に関するオススメの本2冊をご提案します。

 

 

●10年後もつきあってくれる新規の顧客をゼロから育てるマーケティング 濱田将士 著(総合法令出版社)

 

 本書は、「集客」に関する基本的な知識・考え方をベースに初心者でも分かりやすく解説しています。あわせてマーケティングの専門用語も分かりやすく解説しています。例えば、「価値をきちん伝える」ということに対しても、次のように噛み砕いて説明しています。「どうして買わなきゃいけないの?」「なぜこの値段?」「なぜあなたから?」「なぜ今なの?」という4つの質問に売り手が答えることが重要としています。

 

 また後半では、お客様を7つの段階、すなわち、「未開拓客」「見込み客」「お試し客」「はじめて客」「リピート客」「顧客」「ファン客」に分けて、各段階のステップアップの動機付けと仕掛け作りの重要性を説いています。後半はこの考え方に力点を置き、各段階のお客様がどうやったらステップアップしてもらえるかを、事例をもとに解説しています。私がお伝えしている、導線設計を考える際にも重要な考え方です。

 

●見せるだけで売れてしまう「事例広告」の方向 村中明彦著(ダイアモンド社)

 

 本書は、高額商品のような買い手が購入に至るまでに、いくつかステップやハードルがある場合に有効な一冊です。前職でITシステムを販売していた際にも導入事例を営業ツールとして活用しており、導入事例がある場合とない場合では、お客様の納得度・購買意欲にずいぶんと違いがあったことを記憶しています。本書はその事例広告の基本的な説明・メリットだけでなく、事例広告を作成するにあたってのポイントを解説しています。

 

 事例広告の骨子は、(1)購入する前の状況、(2)購入にあたっての決断、(3)購入した後の変化です。この骨子に沿って、どのように質問していくのか等、著者の作成事例を交えながら詳しく説明しています。前職時代でも同じような形でビフォー・アフターを作成しており、読み手である顧客の視点で事例を作成する重要性ということが改めて再認識できる一冊です。より詳しく知りたい方は、「事例広告導入バイブル」村中明彦著(日経BP社)があります。

 

 以上が、導線設計を考える際に、オススメの2冊です。流行りの手段ありきではなく、お付き合いしたいお客様をイメージして、どのような導線設計が全体像として重要か、そしてどんな手段がお客様にフィットするのかを考えることが重要と考えています。

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2018年3月

 

経営計画を見返してますか?

 

先日、とあるセミナーで経営計画についてお話しする機会がありました。

 

そもそも経営計画は

①現状分析

②ビジョン・方向性検討

③計数計画

④行動計画

に大別されます。

 

ただし経営計画自体、決まったフォーマットはなく、会社の目的によって①~④の重み付けは異なります。例えば、①の現状分析と②の方向性が中心のフォーマットもあれば、金融機関向けの計画の場合は、計数計画中心のフォーマットを見受けられます。

 

 一方で、経営計画作成はPDCAサイクルでいうと、P(Plan:計画)の段階です。セミナーなどで、過去に作成した経営計画を見ていますか?とお伝えすると、多くの方が「作って以来見ていない」とおっしゃいます。すなわち、PDCAのP(Plan)のままなのです。中には、「作って満足した」という方もいらっしゃいました。D(Do:実行)することもあるかもしれませんが、経営計画を見返していないとなると、C(Check:確認)、A(Action:修正)ができません。

 

 では、なぜ、作成した経営計画を見返さないのでしょう?理由はいくつかあります。1つ挙げると、見返えすために作られていない経営計画だと、見返しても気づきや新しいアイデアが出てこないことがあります。そうなると見ても仕方ないと思い、見なくなってしまいます。特に現状分析・数値計画主体の経営計画などはその傾向が強いと言わざるを得ません。補助金関係の経営計画もその傾向になりがちです。

 

 コンサルティングやセミナーでは、振り返って使える経営計画についてアドバイスしています。PDCAのPのための計画ではなく、DCAができる経営計画について、経営者や経営指導員の方とお話ししながら個別に作成していきます。

 

 みなさんの支援先でも、作っただけの経営計画であれば、振り返ることに意味がある経営計画を検討・修正するのも、フォローアップにおいて大切なことと思います。

 

 

 

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2018年2月

 人は変われる。 RAIZAP編著(自由国民社)

 

 テレビCM等で見かけるライザップ。そのイメージは、短期間でダイエットを成功させるジムだと思います。私の友人や知り合いの経営者もライザップに通ってダイエットを成功しています。本書は、体的なダイエット手法ではなく、ライザップが自社で証明された自分を変える極意、すなわち目標達成のノウハウを紹介しています。その一部を紹介したいと思います。

 

●目的を明確にして自分を動機づける

 「なぜやせたいと思っているのか、もしやせることができたらどんなことがしたいのかをすべてお伺いします」

 

 経営者にとって、経営の目的は様々です。経営者によっては、売上・利益の達成だったり、地域NO1だったり、従業員の待遇改善だったりなど経営者によって異なります。また、複数の経営の目的を持っていらっしゃる方も少なくはありません。コンサルティングやセミナーでも、本人が「腹落ちする」目的を持たないと、いくら経営計画を立てたとしても実行することは難しいとお伝えしています。

 

●目標には”ワクワク”を

 ダイエットに成功して「やりたいことの多さの分だけ、ゲストが目標を達成するチャンスが増えると思います」

 前項と関係しますが、経営者にとっての「腹落ち感」の中にやりたいと思うワクワク感が必要なのかも知れません。自分自身それでワクワクするのか、それとも外部から与えられた(期待された)目標なのかによっても、経営者の目標に対するマインドはずいぶん違ってきます。

 

他にも自分を変える極意について

 

 ●数字で変化を追いかける

     ●小さな「できた!」を力に変える

 ●今日やることを第三者にコミットメントする

 

など多くのコツが書かれています。コンサルティングを通じて多くの経営者や社員が変わっていく姿を見てきました。本書を読んで人が変わることは、ダイエットであろうと、経営者の成長・社員の人材育成であろうと似通っている部分が多いと感じました。

 

 

 

 

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2018年1月

 「選ばれる理由」を見つけだそう。

 

 コンサルティングやセミナーで「選ばれる理由」を考えましょうとお伝えしています。「他社ではなく自社をお客様が選んでくれる理由は何だろうか?」それをしっかりと握りしめない限り、いくらPRや営業をしても、成果が出にくいことがあります。

 

 この「選ばれる理由」を経営者や社員と一緒になって探り出していくのですが、一つの考え方として、自己分析の考え方である「ジョハリの窓」をベースに見出していくことができます。

 

「ジョハリの窓」は、心理学者のJoseph・LuftとHarry・Inghamが考案したもので、人の心には、4つの窓があると考えています(右図)。この4つの窓は自分の意思で大きくしたり小さくしたりすることが可能で、それぞれの窓を操ることで、それぞれの窓の大きさを変えて、人間関係をスムーズにし、コミュニケーションの円滑化を図るとしています。それをベースに、企業における「選ばれる理由」と関連付けるとどうなるでしょうか?

 

①「開放の窓」

 これは、自社もお客様も知っていることで明らかな事実です。現状のPR内容になっていることが多い部分です。

 

②「秘密の窓」

これは、自社では当たり前となっていることが、お客さま(特に新規顧客)が知らない部分です。それは、社内の取り組み・歴史・こだわりなどが挙げられます。経営者と面談をしていると、お客さまに知られていない数多くのことが掘り起こされます。「これってお客様にPRしていますか?」とお伺いすると、「ほとんどしていません・・・」という場面が多く見受けられます。この掘り起こされたことをPRに活かせないか再検討することができます。

 

③「盲点の窓」

これは、お客様は知っているものの、自社は気づいていないということです。それは、「お客様の声」になります。この「お客さまの声」を集めると、自社が想定したことと違った意見が得られます。もちろん、いい意見・悪い意見様々ですが・・・私の場合で言うと、経営者と話をしていると、「ぐしゃぐしゃだった頭の中が交通整理されていくようだ」とおっしゃって頂きました。当初は意外だったですが、今ではそれをPRポイントにしています。自社が知らない自社は意外にも多いものです。

 

④「未知の窓」

これは、自社もお客さまもその時点で知らない・気づいていないこと。私は「新たに選ばれる理由を創る」としています。これまでの「解放の窓」「秘密の窓」「盲点の窓」は、主に「今、選ばれている理由」についてです。今の選ばれる理由だけでは、不十分であれば(お客さまが他社を選ぶ状況)、「選ばれる理由を創る」ということが重要になります。

 

ジョハリの窓の4つを、企業について当てはめて考えてみました。支援先にどれが今、力を入れるべきかヒントになりましたでしょうか?自社が選ばれている理由を見つけて(もしくは、創り上げて)、PRする。これが売上アップの基本的な考え方です。

 

 

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