【659】中小企業にとってのバランススコアカード(BSC)のメリットでありデメリットとは(2)~戦略マップの論理性~

 

当社では、中小企業に向けたバランススコアカードの

導入のご支援をしております。

 

 

しかし、書籍に書いてあるようなバランススコアカードの

導入手法では、中小企業では上手くいかないケースが多いため、

当社オリジナルの要素を付け加えて、コンサルティングをしています。

 

 

それは

 

バランススコアカードのメリットであり

デメリットがあるため

 

と考えています。

 

 

 

前回、戦略マップという図のシンプルさがメリットであるのに

実務で大事なことが漏れてしまうデメリットをお伝えしました。

 

 

今回も戦略マップです。

 

 

戦略マップでは、4つの視点で様々な成功要因を

論理的につながていくことを特徴にしています。

 

 

その4つの視点とは

 

「財務の視線・顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点」

という言葉が一般的です。

 

しかし、当社では理解しやすいように、親しみやすいように、

 

(1)売上と利益…財務

 

(2)お客様…顧客

 

(3)仕事の仕方…業務プロセス

 

(4)人と組織…学習と成長

 

という言葉で置き換えて説明しています。 

 

 

その4つの視点で論理的につないでいくと

 

(1)目標とする売上・利益はどのくらいを目指すのか?

 

(2)目標とする売上・利益を獲得にするには、

お客様にどうやって

・選ばれる理由を作り

・PRやリピーター作り

を行っていくのか?

 

(3)(4)その為にはどのような

・仕事の仕方をして

・人と組織

を変えていくのか?

 

 

という形で(1)~(4)へ下りながら考え、

そして実行は下から上へおこない実現させていきます。

 

 

研修やコンサルティングでは、

ホワイトボードや模造紙など大きく書ける場所を使い、

幹部社員など複数で意見を出し合いながら(1)~(4)を考えつつ、

将来についての取り組みを「見える化」していくのです。

 

 

この4つの視点を基本に論理的思考を繰り返すことで、

経営者・経営幹部・社員の間で共通認識ができ、

  目標を実現するための筋の良いシナリオを

作っていくことができます。

 

 

この戦略マップでの戦略討議は、経営幹部の論理思考力を

アップさせるというのは重要なのですが、

その一方で、ロジック(論理)から外れた重要成功要因は

抜けてしまうというデメリットがあります。

特に最終の売上・利益と結びつきが強いものだけが残り、

結びつきがそれほど強くないものは、戦略マップの

シンプルさ故、削除されてしまいます。

 

 

それが前回お伝えしたをした「実務」では重要な部分もあり、

ひょっとしたら、売上・利益だけでなく他の項目と結びつきが弱い

成功要因も存在します。

 

論理を強く意識して戦略マップを作ろうとすればするほど、

ロジックに縛られてしまうこともあります。

 

ロジックというメリットがデメリットにもなってしまうのです。

次回はKPI(重要業績指標)についてのお伝えしたいと思います。