ガントチャート作成に役立つ!ブレーンストーミングとKJ法とは?

ガントチャート作成に役立つ!ブレーンストーミングとKJ法とは?

「プロジェクトを複数のメンバーで管理する効率的な方法が知りたい」

「ガントチャートを作ってみたいけど、作り方のコツがわからない」

と考えている方も多いのではないでしょうか。

 

複数名でプロジェクトの進捗を管理するには「ガントチャート」というやり方がオススメです。しかし、ガントチャートは、「作るのが面倒臭い」、「作り方がわからない」と言われることも。そこで今回は、プロジェクト管理に有効なガントチャートを作成するコツとして

 

・ブレーンストーミング

・KJ法

 

 をご紹介します。


ガントチャートとは

ガントチャートとは

 

ガントチャートとは、アメリカ人の経営コンサルタントであるヘンリー・ガントによって開発されたプロジェクト管理方法です。

 

「チャート」とある通り、図表のことで、 ガントチャートは主に

・横軸に時間、期間

・縦軸に作業名や担当者名

を記入して、プロジェクトのスケジュール管理をおこなっていきます。

 

たとえば、「TOEICで800点をとる」という目標をガントチャートにすると、横軸には試験までの日にち、縦軸には

 

・過去問を買う

・リスニングの問題集を1冊終わらせる

・間違えやすい文法をノートにまとめる

といった項目が書かれるでしょう。

 

ここまで読んでみて、

「でも、なんでガントチャートにする必要があるの?」

と感じる方もいるかもしれません。

 

ガントチャートのメリットは、

・その期間にやるべきことがわかりやすい

・プロジェクトの進捗状況がわかりやすい

・誰が何の作業を担当しているのかわかりやすい

ことなどが挙げられます。

 

模造紙など、大きめの紙にガントチャートを書き、社内のホワイトボードに貼り出しておけば、誰が何を担当しているのか一目でわかるので、他の管理方法よりもプロジェクトの進捗を把握しやすいのです。

 

ガントチャートは、

・プロジェクトの目標を明らかにする

・それに必要な作業とメンバーを把握する

・ガントチャートに書き込む

という順序で作成していきます。

 

1人で使用するガントチャートであれば、比較的スムーズに作成できます。

 

しかし複数名で管理するガントチャートは、作業工程がわかりにくく、「作るのが面倒」と途中で破棄になったり、「やるべき作業が抜けていた」という事態になったりすることもあるのです。そこで、複数名でガントチャートを作成する際におこなって欲しいのが「ブレーンストーミング」です。

ブレーンストーミングのメリット

ブレーンストーミングのメリット

 

 「ブレーンストーミング」とは、「ブレスト」とも呼ばれており、複数のメンバーでアイディアや意見を共有する際によく使われる発想方法です。

 

付箋とペンを用いて、できるだけ自由な環境で、メンバーの意見を書き出していきます。

 

ブレーンストーミングのメリットとしては、

 

・メンバー間での意見を共有できる

・効果的なアイディアが出やすい

などが挙げられます。

 

ただし、「よし、ブレーンストーミングができた!」と意見を記録しただけでは、実行に移すのは難しいでしょう。

 

そのため、ブレーンストーミングで意見が出たあとは、それらを整理することが大切です。

 

そこで次に、ブレーンストーミングのやり方と、意見を整理する「KJ法(ケージェイ法)」のやり方をご紹介します。

 

ブレーンストーミングのやり方

「ブレーンストーミングを始めましょう!」

と、プロジェクトのメンバー間で話が出たとしても、効果的なやり方を知らないと、「ただ意見を出しただけ」のミーティングになってしまいます。

 

そのため、この機会にブレーンストーミングの原則を知っておきましょう。

 

① 批判厳禁

② 自由奔放

③ 質より量

④ 便乗歓迎

 

以上がブレーンストーミングの4原則です。

 

ブレーンストーミングは、できるだけ自由にアイディアや意見を出していきます。

 

その結果、一般的な事柄を把握するだけでなく、今まで気づかなかったポイントや、新しいやり方を発見するのも目的の一つです。

 

そのため、

「でも、それって無理でしょ?」

「予算から考えてありえない」

などと言って、意見が出るのを妨げてしまっては、良いアイディアは出にくくなってしまいます。

 

だからこそ、上記の4原則が大切なのです。

「間違ってるかもしれないけど、とりあえず出しておこう」

というくらい気軽にアイディアを出せる環境を作ることが、ブレーンストーミングでは重要になってきます。

 

つづいて、付箋とペンを用意します。

 

プロジェクトや目標に向けた意見を、メンバーそれぞれが付箋に書いて、ホワイトボードに貼っていきましょう。

 

今回は、オフィスの大掃除に関するブレーンストーミングを例に挙げてみます。

 

大掃除に必要な作業をブレーンストーミングし、それらをガントチャートに記入していく目的でおこなっていきます。

 

このとき、

・床を雑巾掛けする

・床にワックスを塗る

・窓掃除

・机や椅子を廊下に出す

・必要なオフィス道具を書き出す

・レイアウトを考える

・業者に依頼する

・掃除道具を揃える

・エアコンを掃除する

などの意見が出るでしょう。

 

ブレーンストーミングで出た意見には、重複や似ているものもあります。

 

つづいて、そうした意見をグループ分けして、よりわかりやすくまとめるために「KJ法」を使ってみましょう。

 

KJ法のやり方

 

KJ法とは、文化人類学者の川喜田二郎氏によって考案された発想方法です。

川喜田氏のイニシャルを取って「KJ法」と名付けられました。

ブレーンストーミングが意見やアイディアを出すことに特化しているのに対して、KJ法では、それらの意見をまとめ、俯瞰的に見ることに長けています。

 

KJ法は主に、

 

・グルーピング

・並び替え

・文章化

 

の順でおこなっていきます。

 

 

まずは、付箋に書いた意見で、似ているものをグループ分け(グルーピング)していきましょう。

 

先ほどのオフィスの大掃除の例でいうと、

 

○ 準備

・必要なオフィス道具を書き出す

・レイアウトを考える

・業者に依頼する

・掃除道具を揃える

 

○ 先にすること

・机や椅子を廊下に出す

・エアコンを掃除する

・窓掃除

 

○ 後ですること

・床を雑巾掛けする

・床にワックスを塗る

 

と、グループを分けることができます。

 

 

掃除は高い場所からする方が効率的に進められます。

そのため今回は、時系列に沿ってグループ分けをしました。

つづいて「並び替え」をおこないましょう。

この段階では、それぞれの項目の相関関係を見ていきます。

 

たとえば、

・業者に依頼する →エアコン掃除、窓掃除

というふうに、別のグループでも良いので、関連する事柄が無いかまとめていきます。

 

最後に「文章化」をおこないましょう。

・事前にレイアウトを考える

・エアコンと窓の掃除は業者に依頼する

・最初に机や椅子を廊下に出す

といったふうに、簡潔に文章にまとめていきます。

 

今回は複雑な工程が無いため、そこまで文章化する必要はありません。

しかし、システム開発や、新商品の制作などでは、作業も複雑になるでしょう。

そのため、グルーピングや並び替えをした意見を、文章でまとめておくことが必要なのです。

 

文章にしておけば、ブレーンストーミングの欠席者や、他のメンバーが読んで理解することができます。

 

今回は、ガントチャートの作成に有効な

・ブレーンストーミング

・KJ法

をご紹介しました。

 

付箋とペンだけで気軽におこなえるため、

「ガントチャート用の作業の洗い出しに困っている」

「プロジェクトに対するメンバーの意見を共有したい」

と考えているときにオススメです。

 

ブレーンストーミングで出た意見は、KJ法でまとめることができます。

そうすることで、他のメンバーにもわかりやすく紹介することができるでしょう。

作業工程や目的意識がハッキリすれば、プロジェクトの管理もしやすくなります。

 

 

 

この機会に以上の方法で、ガントチャートを作成してみてはいかがでしょうか。

 

当社では作成ツールとして、紙とペン、そして付箋を使ったガントチャート式経営計画を提案しています。

 

小さな会社・お店の場合、また少人数でプロジェクトを進める場合、Excelや専用ソフトを使わなくても、簡単にそしてスピーディーにガントチャートの作成・見直しができます。以下のようなイメージです。

 

 

ガントチャート式経営計画のイメージ

強みを活かした経営をおこなっている中小企業経営者と社員のイメージ

 

このようにガントチャート式経営計画のよいところは、達成したい目標に向かって、何をすべきかを

 ・逆算して考える

 ・分解して考える

 ・優先順位をつけて考える

 ・一覧にして考える

というところにあります。

 

頭の中で考えていては

・ぼやっとして具体的にならない

・したいと思っても忘れてしまう

・自分の頭で思っているだけで、スタッフと共有できていない

ことがあります。

 

 これまで、経営は逆算で考えるという3つの視点をお伝えてきました。波乗り型の経営者にとっては、逆算で考えることが不得意かも知れません。しかしながら、波乗り型が不正解というわけではなく、これまで多くの経営者を支援してきた経験、自分自身の経験から、山登り型・波乗り型を両方とも組み合わせた方がよいのが実感です。

 

 それは、やるべき事にじっくりと取り組む一方で、目まぐるしく世の中が変化する中で、時には計画にこだわらず臨機応変に動くことも重要だからです。自社がいま、山登り型・波乗り型どちらを優先して行動するかということを意識し行動することが、メリハリの利いた経営になるのです。 

 

 

 

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