「分ける」と「分かる」!全体が見えてくる!分割・分解して考え行動する「分ける」仕事術とは?

仕事を分けて分解・分類して取り組むイメージ

「上司に報告するときに、上手く伝える事が苦手」

「計画をちゃんと立てたはずなのに、いつも計画倒れになってしまう」

という悩みを持っているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

 

弊社は300人以上の中小企業の経営幹部・管理職をはじめとした人材育成支援をおこなってきました。また、これまで大手企業、中小企業、自治体等業種・業態等問わず、1,000人以上のビジネスパーソンと面談した中で、気づいたのは、仕事をスムーズに進められず、仕事でつまずいてしまう方は、「分ける(分割・分解する)仕事術」を十分に身につけていないことでした。

 

例えば、

  • 部下の報告で何を伝えたいのかよく分からない(事実と意見が分けられていない等)
  • 仕事の段取りが悪い・遅い(行うべきことが作業レベルに分けられない)

などの背景には「分ける」スキルが身に付いていないことがあります。

 

 

一方で仕事が早く、成果も残すビジネスパーソンは

  • 現状を俯瞰して、的確な現状把握をしている
  • 行動がスムーズし、ムダな動きが漏れがない
  • 発言している内容が聞き取りやすく理解しやすい

などの特徴があります。

 

仕事がデキるビジネスパーソンは仕事のあらゆる場面で「分けて」(分割・分解して)考えて行動しているのです。すなわち、分けて考えられる人 、分割思考を意識的もしくは無意識的におこなっている人なのです。

 

「分けると分かる」つまり「分けると、頭の中のモヤモヤがなくなりスッキリ見えてくるよ」と私もサラリーマン時代の上司によく言われました。

 

教育のことばでも、「分かることは、分けること」と言われているようです。

「分かる」(理解する)は、分ける(分割・分解・分類)できていること、すなわち、例えばAとBが違うということを、きちんと頭の中で分類できているということです。

 

話を仕事に戻して、そこで今回は、仕事の質・効率そして成果を上げるための「分ける(分割・分解する)仕事術・考え方」をご紹介します。

 


仕事の効率を上げる「分ける」(分割・分解する)思考法とは?

仕事における分解力のイメージ

 

仕事ができるビジネスパーソンは

  • 情報
  • 発言
  • 活動・アクション
  • 思考・視点
  • 業務・手順
  • 時間・スケジュール・段取り
  • 役割
  • 問題が発生した原因
  • 営業対応

など、意識的にもしくは無意識的にさまざまなことを分けて(分解・分解・分類して)、考えています。

 

「困難は分割せよ」はフランスの哲学者デカルトの言葉です。

 

人材育成のコンサルティングや研修講師として活動していると、この言葉のように、ものごとを分割・分解できる方は仕事が速く、また考えることが得意といった印象を受けます。まさに「分けると分かる」の考え方を実践している方です。

 

一方で、「仕事を分ける(分割・分解する)」ということにピンとこない方の中には、

  • 単純な作業はできるものの、複雑な作業になると混乱する
  • 仕事の段取りが苦手で、手戻り作業が多い
  • スケジュールの組み方が甘く、〆切ギリギリになる、もしくは間に合わない
  • 周りが見えていない・先回りして仕事をしていない
  • 新しい取り組みを実行するのに、時間がかかり過ぎている
  • 整理整頓など、机の周り・パソコンのフォルダ・備品・商品管理が苦手
  • 言われたことができるが、自ら改善活動をおこなったり、問題解決するなど考えることが苦手

といったことで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

 

このようなお悩みも「分ける」を意識しさえすれば、解決することができると、これまでの人材育成コンサルティングや研修で多くの方の成長を通じて実感しています。

 

よくある事例が、「事実と意見(感情)を混同してしまうこと」です。

 

報告のシーンを例に挙げると、事実と意見をごちゃまぜにして、報告して上司から「何を伝えたいのか分からない」「結局、何が言いたいの?」などと言われた、もしくは言った経験はございませんか?私自身、入社当時、上司への報告で何度となく叱られました。

 

まさに「分けて」話すコミュニケーション力が不足しているがゆえのワンシーンです。こういう時間が減らないと、部下だけでなく上司の時間も取られて、結果として時間だけが過ぎていき、お互いの生産性が高まらないばかりか、ストレスも増えてしまいます。そこで、お互いが事実と意見を分ける、テーマを整理して話すなどの「分ける」話し方を行えば、効率の良い働き方にも繋がります。

 

他にも、スケジュール面で「分けて」(分割・分解して)考えるのが苦手な方もいるでしょう。特に管理職の方であれば、スケジュールやToDoを部下に割り振ることも多いかと思います。そういう時も「分けて」(分割して)考えることができれば、計画も管理しやすくなるはずでしょう。

 

スケジュールの場合、分ける(分割・分解する)項目は

・完成までのステップ(行う作業や中間の目標設定)

・自分がする業務、部下に任せる、あえてしない業務

などが挙げられます。

 

 

ところで「分けて(分割・分解して)考える」と言われると、ビジネス・フレームワークをイメージする方も多いかも知れません。ここでフレームワークについてのメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。

仕事をフレームワークで考えるメリット・デメリット

中小企業における3C分析(自社・顧客・競合)のイメージ

フレームワークとは、たとえば

・3C分析(さんしーぶんせき)

・5W1H(ごだぶりゅーいちえいち)

など、考えるための「枠組み」です。

 

 

3C分析は、

  • 市場(Customer)
  • 競合(Competitor)
  • 自社(Company)

の3項目(3C)を検討して、これからの経営の方向性を分析する方法です。

 

5W1Hは、

  • Who(だれが)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • What(なにを)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

を書き出して、現状を把握したり、今後の行動を考えたりする方法です。

 

このようなフレームワークは、仕事で使っているという方も多いでしょう。今の状況を、例えば、3Cで分けて考えてみようという風に手軽な道具として使いやすいものです。フレームワークは数多くあり、ネットや書籍でも 数多く紹介されています。

 

しかし、フレームワークは万能な道具ではないのです。

 

なぜなら、

① フレームワークを使う場面を間違え、十分な思考ができない

② フレームワークに当てはめることに意識しすぎて、自分で考える力が低下する

かもしれないからです。

 

フレームワークは確かに便利です。もちろん、場面によってはフレームワークを使った方が効率的に仕事が進むときもあるでしょう。

 

しかし、使う場面を間違え、途中で「これは別の考え方をした方がよかったのではないのか?」となってしまっては、また一から考え直さなければならないので非効率です。また、既存のフレームワークでは対応できない場面が出てくることもあるでしょう。

 

そのようなとき思考がストップしてしまうのは避けたい状況です。そうならないためにも、自分で「分けて」(分割・分解して)考えることが大切なのです。 

自分で「分けて」(分割・分解して)考えることが大切

仕事を分けて分解・分類して取り組むイメージ

 ではフレームワークに頼らず、どのように分けるコツを身に付ければよいのでしょうか? 

 

 この分けるスキルを身に付けるには、「分けて」(分割・分解して)考えるには、日頃から「これをどうやって分けたら効率的だろうか?」と分割思考を意識しながら、練習していくことが大切です。

 

 そのほか、会社に既にある書類や仕組み、また上司の発言を聞きながら「これはこういう軸で(基準で)分けているんだ?」であったり「これはどうやって分けようか?」であったりと自分の中で分ける判断軸を決めて、分けて考える練習をしていくことをオススメします。そうすると無意識に「分ける」習慣が身に付いていき、仕事力がアップしていくはずです。

 

 

関連書籍のご案内

 


 

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・いつも仕事が時間通りに終わらないので残業や休日出勤が多い

・うっかりミスや見落とし、やり直し、上司からのダメ出しが多い

・仕事の段取りを組んだり、計画を立てるのが苦手

・上司や取引先から「何を言いたいのかわからない」とよく言われる

・トラブルが起きると頭の中が真っ白になってどうしたらいいのかわからなくなる

など、 本書はこのような仕事の「できない」をなんとか解消したいと日頃からお悩みの若手ビジネスパーソンの皆さま、そしてそうした部下をお持ちの管理職の皆さまへの処方箋です。

 

仕事の成果は、頭の良し悪し、センス、才能ではなく、「分ける」かどうかで決まるのです。

 

 

■関連研修のご紹介 

 当社では、この分ける(分割・分解する)に着目した研修(講師派遣型)をおこなっています。働き方改革などで自分だけでなく部下の労働時間も以前よりも減っている現実の中で、上司の教え方にバラツキがある、若手社員がなかなか育たないという企業に向けた、上司と部下が共に学ぶ教え方・学び型研修です。

 

ご関心がある方は、以下より詳細をご確認ください。