U-mic News 2018年

代表者である吉田 英憲と、そのほかさまざまな得意分野をもつ経営コンサルタント・中小企業診断士(広島県在住)が、経営コンサルティングやセミナーを専門知識と経験から得た「役に立つ」情報をまとめたフリー情報紙(企業支援者向け)です。経営計画(創業・経営革新・事業承継)をはじめとして、社員研修、新規事業、企業再生など様々な経験に基づく情報をお届けしています。


2018年12月

 

 

経営者は自分の時間を予約する~経営者のタイムマネジメント(時間管理)~

 

働き方改革の一環で、大手企業・中小企業・自治体などでタイムマネジメントの研修をする機会が増えてきました。勤務時間が限られるなかで、1人1人の時間を有効活用し、生産性を高めていく必要があります。タイムマネジメント研修では自分自身の時間の使い方を振り返り、業務を効率的におこなう技術を習得していきます。

 

このタイムマネジメントの観点で、中小企業の経営者のお話を聞いていると、

 

「日常業務に追われていて、将来のことなど考えられない」

「せっかく経営計画を作ったのに、実行する時間、見直す時間がない」

 

といったお悩みをお伺いすることがあります。そこで今回は、セミナーや個別面談でお伝えした、タイムマネジメントにアドバイスの一部をご紹介したいと思います。

 

1 経営者の時間の使い方こそが経営戦略になる

 「経営者に必要なこととして、会社の将来、会社の戦略を考える」といった話をよく聞かれると思います。タイムマネジメントの観点でいえば、経営者がどんなことに時間を使っているか?、すなわち何を考えているか?、どんな行動をしているか?が戦略を生み、その戦略を実行している事に他なりません。例えば、日常業務に時間の大半を使用している経営者は、既存事業の戦略を遂行しています。また、既存業務をおこないながら、新商品を開発している経営者は、新たな売上アップ・顧客開拓の戦略を実行しています。それゆえに、「経営者の時間の使い方が会社の戦略を決める」という観点で、自分が改めてどんなことに時間を使っているかということを振り返るのは重要なことなのです。

 

2 自分の時間を予約する

 ある経営者から、時間が確保できないとのご相談を頂きました。色々と話を聞いていると、訪問依頼や来客があれば対応する、電話やメールにすぐに反応して、そちらを優先するという状況でした。そこでお伝えしたのが、自分の時間を週1回、予約することをご提案しました。経営者の多くが、他人とのスケジュールを埋めることはありますが、自分から自分のためのスケジュールを埋めることはあまりないようです。その経営者には、自分のための時間に限っては、来客・電話を極力控え、会社のことを考えたり、将来の売上アップのための打ち手を考え、実行したりする時間を確保するようにお伝えしました。

 

 日常業務に追われている経営者の多くが自分の時間を予約しないということがあるようです。ついつい夜に作業したりするなどになっているようですが、一番集中でき生産性が高い時間を見つけ、自分の会社・お店のことを考える時間を確保する方が、結果的によい戦略や行動が生まれると思います。

 

 セミナーや個別相談では他のこともお伝えしていますが、上記の2点を意識するだけでも経営者の時間の使い方、会社の将来が大きく変わると思います。

 

 

 

 

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2018年11月

 

経営破綻の実例に学ぶ「失敗の定石」

 

なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則

 日経トップリーダー 編

 

「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」

 

 これは、江戸時代の平戸藩の9代藩主、松浦静山の言葉であり、プロ野球往年の名捕手・監督、野村克也氏が使っていた言葉です。企業経営も同じように、何かの流行やチャンスに乗じて、経営者が思いよらない急成長するケースがあります。まさに「不思議の勝ち」とも言えるものです。その一方で、衰退・倒産というのは、その発生に理由が必ずあるものです。

 

 本書は、信用調査会社である帝国データバンク・東京商工リサーチの協力を得て、実際に発生した23件の実例をもとに、失敗の法則をまとめています。主な中小・中堅規模の会社を中心に取り上げられており、それぞれのケースから導かれる11つの「破綻の定石」をまとめています。

 

 私自身、最近でこそ件数は減りましたが、事業再生などにも関わったことがあり、まさに「破綻の定石」どおりのケースを目の当たりにしたことがあります。

 

 例えば、

・大ヒットが放漫経営を招く

・古いビジネスモデルを変えられなかった(老舗の強みが崩れた、強みが弱みに転じた)

・取引先を1社に依存していた

 などです。

 

 本事例では、ベンチャー、事業拡大、新規事業(新商品開発)、事業承継、事業再生などの様々なステージでの事例が記載されています。事例そのものもコンパクトでありながら、臨場感を感じる記載となっており、約300ページの書籍ですが、一気に読むことができます。

 

 支援者として、衰退・倒産のリスクがありそうな企業をどう支援していくかも重要であり、本書は経営者のみならず、支援者のスキルアップにも重要な一冊だと思います。

 

 

 

 

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2018年10月

 

BtoB企業の経営戦略を考えるポイント~事業を絞るか?広げるか?~

 

 BtoB(Business to Business)企業とは、製造業・卸売業・建設業・運輸業など法人を主なお客さまにしている企業を指します。一方、BtoC(Business to Consumer)とは、小売業・サービス業など一般消費者を主なお客さまにしている企業を指します。私自身BoB企業、BtoC企業ともに長くお付き合いしている企業があり、それぞれの経営者の話をお伺いする中で、BoB企業、BtoC企業の経営戦略の違いを考えるようになりました。また、支援機関の方からBtoB企業の経営戦略について、どのように考えるべきか、その見方がよく分からないというご相談を頂くことがあり、今回はBtoB企業の経営戦略の考え方のポイントをお伝えしたいと思います。

 

●BtoBは価格競争に飲み込まれやすい

 私自身、前職、法人向けにITシステムの営業をおこなっていました。そこで出てくる言葉は「相見積もり」です。競合他社と内容と価格の比較をされ、内容がそれほど変わらなければ、価格のみで決定されることがあります。

 

●事業を絞るか?広げるか?

 そこで、売り手であるBtoB企業は相見積もり、そして価格競争に陥らないように考える必要があります。その際の、BtoB企業の打ち手は絞るか?広げるか?です。「絞る」というのは、より専門性を発揮して他社ではマネできない技術・品質に仕上げていくことです。「磨く」といっても、いいかも知れません。マネできない技術・品質がセールスポイントという企業もあります。しかし、マネできないほど技術・品質を必要とするビジネスが少なければ、いくら専門性を磨いても、事業規模は広がりません。

 そこで、広げるという打ち手があります。実は当方が関わっているBtoB企業の多くは「磨く」だけでなく「広げる」という打ち手を実行し他社と異なる立ち位置を築いています。

 

 例えば、

 ・金属加工業で、塗装「も」できる企業

 ・防水・塗装業で、内装工事「も」できる企業

 ・制御盤製造で、通信工事「も」できる企業

・運送業で、建設現場で施工「も」できる企業

 などです。

 

 どの経営者も、「本業だけでは、単なる価格競争になってしまう」と言葉は違えど、口を揃えておっしゃっています。

 そして、各社とも一定の技術レベルがありながら、プラスワン、プラスツー(もう1つ、もう2つ)の事業(業務)をおこなうことで、

 (1)顧客にとっての発注の手間を軽減

 (2)一括発注で、モノの移動等ムダが抑えられトータルコスト低減

 などの効果があり、結果的に他社と価格競争を避けて、受注されています。いわゆる、BtoB企業のワンストップサービスという位置づけです。

 

 BtoB企業の経営革新・新事業展開というと、自社ブランドとして新商品開発したり、異業種に参入したりという派手なイメージがあるかもしれません。その一方で、本業にもプラスになるのは、本業に派生するプラスワン・プラスツーの事業(業務)を立ち上げることだと考えています。そのためには、改めて顧客・ライバル・自社のいわゆる3Cの(Customer、Competitor、Company)視点で、自社が選ばれる理由を考えることで、新しい取り組みが見えてくると考えています。

 

 

 

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2018年9月

アナタはなぜチェックリストを使わないのか? アトゥール ガワンデ 

 

 家業から企業に向けた組織づくり・仕組みづくりのお手伝いをしています。急成長した会社などでは、規模が小さかった当時のままで業務をおこなっており、依然として口頭で進められていることが多く、新たなに会社に入った方が仕事をマスターしにくい、無駄が散見されるというケースがあります。また、規模にかかわらず、事業承継において先代経営者やベテラン社員の仕事をやり方・コツなどが書面にまとまっていないということもよく見受けられます。

 

 そこで書面にまとめるということになると、「マニュアル」をつくることをまず思ってしまいがちです。しかし、マニュアルを作成すること自体、大変な作業なので、私はチェックリストのご提案をしています。チェックリストの場合、マニュアルより抵抗感がないので、どの企業でも取り組みやすいと考えています。

 

 そこで、今回ご紹介する本書は、全米ベストセラーとなった「チェックリスト」作成の指南本です。著書のアトゥール・ガワンデ氏は、米誌「TIME」で2010年の「世界で最も影響力ある100人」に選出されたこともある、医師そしてジャーナリストです。彼は、本書を出版するにあたり一流の投資家・航空機の専門家、経営者などの数多くのプロフェッショナルのヒアリングを通じて、成功のエッセンスとしてまとめています。

 

 それぞれのエピソードを興味深く読むことができますが、本書で最も有用と思っているものは、本書の最後にある「チェックリスト作成のためのチェックリスト」です。チェックリストの重要性は分かっていても、どうやってチェックリストを作成していいのか分からない方もいらっしゃると思います。本書ではチェックリストの作成の過程は示されていません。しかし、この「チェックリスト作成のためのチェックリスト」にある、

 

 例えば、

 ・チェックリストの各項目は具体的な行動を促すものである

 ・チェックリストを通すのに、時間がかかりすぎない

 ・手遅れになる前に問題を探知できる

 

などの約20個の項目例がチェックリスト作成の大きな武器になると思います。

 

支援先の仕組みづくり・事業承継支援においてはオススメの1冊です。

 

 

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2018年8月

 

1冊の「ふせんノート」で人生は、はかどる

 坂下 仁 フォレスト出版

 

 前々回、仕事やコミュニケーション以外に、付箋を使って思考力を鍛えるという話をお伝えしました。今回は、その付箋に関連した書籍をご紹介します。本書のタイトルにあるように付箋を使ったノート術で、仕事でも勉強でも家庭でも様々なシーンで活用できるノウハウを紹介しています。

 

  考え方はシンプルで、ノートを「付箋を貼る台紙」にして、付箋をノートに貼ることを原則としています。気軽に書き込める「付箋」と、情報を1箇所にまとめられる「ノート」のそれぞれの特徴を活かした活用術とオススメのアイテムが紹介されています。

 

 機能性や自由度などの利用者の目的に応じて、付箋をどのように持ち歩き活用する方法も複数記されています。例えば、スマホカバーを活用して、付箋カバーにする点など著者の試した工夫点などが具体的に記載され、読者である我々が活かす上での参考になります。なお、本書の後半にはデジタルツールなどとの連携、情報管理・検索なども記載されています。原則はシンプルで運用方法は柔軟性に富んでいます。身近にある付箋を使って、生産性向上や企画力アップなどに活用したい方にはオススメの一冊です。

 

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2018年7月

 

お客さまの頭の中を考える

 

 セミナーや個別相談でお伝えする考え方の1つに「導線設計」があります。「導線」とはお客さまを自社に導く線という意味です。いくらいい商品・サービスを開発してもお客さまに知ってもらわなければ、その商品・サービスをお客さまにお届けすることは出来ません。そこで、お客さまに知ってもらって購入して頂く導線設計が重要になります。今回は導線設計を作り上げる上で最初のステップである、お客さまの頭の中を考える3つのポイントをお伝えします。

 

 1 お客さまの願望や不安・不満などを考える 

どのような商品・サービスであれ、その商品・サービスは、利用者であるお客さまの願望を満たしたり、不安・不満を解消したりする効果があります。自社に置き換えて考えてみて、どんなお客さまが自分たちの商品・サービスに喜んでお金を払ってくれるか?という視点で、理想のお客さまの姿と、その方の願望や不安・不満などを考えていくことが重要なステップです。ある支援したお店のお客さまでは「インスタ映えでプチ自慢をしたい」という願望を持つ若い女性という理想のお客さまが浮かび上がりました。一方で、造園業のお客さまでは「庭の草取りなどを楽にしたい」というお困りごとを持つご夫婦でした。このように会社・お店によって理想のお客さまは違っていきます。既存事業であれば、過去や今お付き合いがあるお客さまの姿を思い出しながら、考えていくことがポイントになります。

 

2 自社以外の他の選択肢を想像する

 お客さまの姿やお客さまの願望や不安・不満が具体化した次は、そのようなお客さまが、自社以外にどんな選択肢を考えるだろうかというお客さまの頭の中を考えていきます。うちの商品は他社にはないといっても、願望を実現する、不安・不満を解消する手段は他にもあります。経営に関するお悩みの場合なら、セミナー受講や個別相談という選択肢の他に、本を読んだり、他の経営者に相談したりと他の選択肢はあるはずです。自社の商品・サービスを唯一無二と思わず、お客さまが考える選択肢を想像しながら、どんなお客さまに自社が選ばれるのだろうかと考えていくことがポイントです。

 

3 お客さまの先入観を取り去る

 2で考えた、お客さまの選択肢の中には、同業者の存在、類似商品があるかも知れません。その時に、「○○ってどこのお店でも一緒じゃないの?」「○○ってあんまりいいイメージをもっていない」というような先入観を持っていることもあるかも知れません。導線設計においては、時にはその先入観を取り去る取り組みも必要です。それが、お客さまとの応対の仕方、チラシや商品のキャッチコピー、Webページやパッケージの見せ方など企業やお店により様々な取り組みが考えられます。

 このように、お客さまが持っているであろう先入観がどのようものがあるかを考え、どうそれを取り去るべきかを合わせて考えいくことがポイントです。

 

 以上、導線設計における、お客さまの頭の中を考える3つのポイントをお伝えしました。とあるテレビショッピングの番組では、お客さまの心理・思考プロセスに合わせて、この3つをうまく組み合わせながら「願望や不安・不満」をより明確にし「他の選択肢」よりもオススメする商品のよさを伝え、お客さまが持つ「先入観」を払拭するなどの工夫を随所に組み込んでいました。商品・サービスを開発することも重要ですが、それを買って頂くお客さまの「願望や不安・不満」「他の選択肢」「先入観」を想定しながら、お客さまに買って頂く流れを考えていくことも重要なことだと考えています。

 

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2018年6月

 

「考える」ために、付箋を使っていますか?

 

 デスクの引き出しなどに置いてある付箋。多くの方は、書類や本など目印として、またメモとして使っていらっしゃることが多いと思います。その他、周りの方への伝言メモなどに使ったりすることもあるでしょう。前者は、実務で使う付箋。後者は、コミュニケーションで使う付箋。今回は、更に「考える」ために使う付箋の活用をご紹介します。

 

 企業内でコンサルティングやファシリテーションなどをおこなっていると、議論が空中戦にならないように、関係者の目線を合わせるために議論での発言内容などを活字にして「見える化」していきます。そこで活用するのが付箋。例えば、参加者全員の意見を書き出してもらい、ホワイトボードに貼って、議論を整理したり、問題解決や対策案検討など付箋を貼り替えるなどして、筋道を立てて考えることに使っています。皆さんも研修などでそのような使い方をしたことがあるかも知れません。

 

 私もこのようにコンサルティングやファシリテーションで繰り返し付箋を使っていると、1人で考える時でも付箋が使えそうだと、ふと思うことあり、付箋を使って1人で考えることをおこなっています。例えば、支援先の企業での問題を1人で付箋に書き出して並べてみたり、行うべき計画を優先順位づけに並べたりなどです。また別の場面では、セミナーやコンサルティング、報告書にてお伝えする内容の骨子を付箋で検討する等いろいろな場面で使うことが出来ます。考える時はパソコンに向かうよりも、紙とペンで考えることに集中した方がよい場合もあります。

 

 このように付箋は実務やコミュニケーション以外に、考える(思考する)時も使えます。これら、実務スキル・コミュニケーションスキル・思考スキルの3つのスキルは、カッツモデルで提唱される、ビジネスに求められるスキルに分類されています。付箋を実務・コミュニケーションだけに使うのではなく、思考スキルもアップできると思いますので、是非使ってみてください。

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2018年5月

 

ビジョンや目標が達成できないのは、行動に分解できていないから

 

 先月、とある支援機関様のご依頼で、経営計画策定セミナーでお話しする機会がありました。経営計画策定のセミナーでは、「ビジョンの重要性」「計画の重要性」について学ぶことは多いかも知れません。

 

 今回は、そのビジョンを達成する「目標達成のコツ」「実行のコツ」についても少しお話しをさせて頂きました。いろいろな会社・お店を支援させて頂く中で、目標や計画を立てても、実行できないのは、目標や計画が行動できるレベルまでに「分解」出来ていないことが多く見受けられます。その際には、目標・計画=大きな石に例えてお伝えしています。目標・計画が大きな状態であったら、初めはその石を動かそうとやる気をもっていますが、そのうち心が折れたり、面倒になったりすることもあります。そして、日常業務に振り回されて、折角立てた目標・計画が実行できていないこともよくあります。

 

その一方で、「〇〇社長は行動が早い」という話をお伺いすることがありますが、それはその社長の頭の中で行動できるレベルまでに分解できている証拠かも知れません。

 

 コンサルティングやセミナーでは、その経営者や事業主が次の一歩、二歩動けるよう、ビジョン・経営計画から行動レベルまで分解するお手伝いをしていきます。まさに目の前にある大きな石を砕いて、一つ一つ動かして、石を動かすといったイメージです。他人から見れば、小さな石に見えても、本人にとっては大きな石と思うこともよくあります。

 

 経営者も人であり、特に経験がないことに二の足を踏む方もいらっしゃいます。その時に経営者に寄り添い、行動レベルまで分解する支援も伴走型支援において、求められることの1つだと考えています。

 

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2018年4月

 

「導線」を強化するためのオススメの2冊

 

 企業・店舗からのよく頂くご相談の1つとして、売上アップがあります。経営者のお話をお伺いすると、良いところは十分にお持ちなのに、PR・営業がやや不十分と思われるケースが多くあります。

 

 その時に「導線」という言葉を使って、改善策を考えていきます。導線とは元々もWeb集客でよく使われる言葉で、「お客様を自社へ導く線」という意味です。すなわち、お客様に「どのように」Webサイトを知ってもらって、「どのように」複数のページを見てもらって、「どのように」問い合わせ・購入をしてもらうかと観点でWebサイトを設計していく考え方です。

 

ご相談を頂くときには、ネットだけでなく、リアル(チラシなど)を含めて導線設計全体をまず考えていきます。その際には、業種の特性だけでなく、季節性やお客様との関係性などその企業・店舗にあった導線設計を考えています。お金をかけずともできる導線設計が多くあり、まずは出来るところから、ご提案し、実行してもらい成果を出してもらっています。

 

 さて、今回はその「導線設計」に関するオススメの本2冊をご提案します。

 

 

●10年後もつきあってくれる新規の顧客をゼロから育てるマーケティング 濱田将士 著(総合法令出版社)

 

 本書は、「集客」に関する基本的な知識・考え方をベースに初心者でも分かりやすく解説しています。あわせてマーケティングの専門用語も分かりやすく解説しています。例えば、「価値をきちん伝える」ということに対しても、次のように噛み砕いて説明しています。「どうして買わなきゃいけないの?」「なぜこの値段?」「なぜあなたから?」「なぜ今なの?」という4つの質問に売り手が答えることが重要としています。

 

 また後半では、お客様を7つの段階、すなわち、「未開拓客」「見込み客」「お試し客」「はじめて客」「リピート客」「顧客」「ファン客」に分けて、各段階のステップアップの動機付けと仕掛け作りの重要性を説いています。後半はこの考え方に力点を置き、各段階のお客様がどうやったらステップアップしてもらえるかを、事例をもとに解説しています。私がお伝えしている、導線設計を考える際にも重要な考え方です。

 

●見せるだけで売れてしまう「事例広告」の方向 村中明彦著(ダイアモンド社)

 

 本書は、高額商品のような買い手が購入に至るまでに、いくつかステップやハードルがある場合に有効な一冊です。前職でITシステムを販売していた際にも導入事例を営業ツールとして活用しており、導入事例がある場合とない場合では、お客様の納得度・購買意欲にずいぶんと違いがあったことを記憶しています。本書はその事例広告の基本的な説明・メリットだけでなく、事例広告を作成するにあたってのポイントを解説しています。

 

 事例広告の骨子は、(1)購入する前の状況、(2)購入にあたっての決断、(3)購入した後の変化です。この骨子に沿って、どのように質問していくのか等、著者の作成事例を交えながら詳しく説明しています。前職時代でも同じような形でビフォー・アフターを作成しており、読み手である顧客の視点で事例を作成する重要性ということが改めて再認識できる一冊です。より詳しく知りたい方は、「事例広告導入バイブル」村中明彦著(日経BP社)があります。

 

 以上が、導線設計を考える際に、オススメの2冊です。流行りの手段ありきではなく、お付き合いしたいお客様をイメージして、どのような導線設計が全体像として重要か、そしてどんな手段がお客様にフィットするのかを考えることが重要と考えています。

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2018年3月

 

経営計画を見返してますか?

 

先日、とあるセミナーで経営計画についてお話しする機会がありました。

 

そもそも経営計画は

①現状分析

②ビジョン・方向性検討

③計数計画

④行動計画

に大別されます。

 

ただし経営計画自体、決まったフォーマットはなく、会社の目的によって①~④の重み付けは異なります。例えば、①の現状分析と②の方向性が中心のフォーマットもあれば、金融機関向けの計画の場合は、計数計画中心のフォーマットを見受けられます。

 

 一方で、経営計画作成はPDCAサイクルでいうと、P(Plan:計画)の段階です。セミナーなどで、過去に作成した経営計画を見ていますか?とお伝えすると、多くの方が「作って以来見ていない」とおっしゃいます。すなわち、PDCAのP(Plan)のままなのです。中には、「作って満足した」という方もいらっしゃいました。D(Do:実行)することもあるかもしれませんが、経営計画を見返していないとなると、C(Check:確認)、A(Action:修正)ができません。

 

 では、なぜ、作成した経営計画を見返さないのでしょう?理由はいくつかあります。1つ挙げると、見返えすために作られていない経営計画だと、見返しても気づきや新しいアイデアが出てこないことがあります。そうなると見ても仕方ないと思い、見なくなってしまいます。特に現状分析・数値計画主体の経営計画などはその傾向が強いと言わざるを得ません。補助金関係の経営計画もその傾向になりがちです。

 

 コンサルティングやセミナーでは、振り返って使える経営計画についてアドバイスしています。PDCAのPのための計画ではなく、DCAができる経営計画について、経営者や経営指導員の方とお話ししながら個別に作成していきます。

 

 みなさんの支援先でも、作っただけの経営計画であれば、振り返ることに意味がある経営計画を検討・修正するのも、フォローアップにおいて大切なことと思います。

 

 

 

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2018年2月

 人は変われる。 RAIZAP編著(自由国民社)

 

 テレビCM等で見かけるライザップ。そのイメージは、短期間でダイエットを成功させるジムだと思います。私の友人や知り合いの経営者もライザップに通ってダイエットを成功しています。本書は、体的なダイエット手法ではなく、ライザップが自社で証明された自分を変える極意、すなわち目標達成のノウハウを紹介しています。その一部を紹介したいと思います。

 

●目的を明確にして自分を動機づける

 「なぜやせたいと思っているのか、もしやせることができたらどんなことがしたいのかをすべてお伺いします」

 

 経営者にとって、経営の目的は様々です。経営者によっては、売上・利益の達成だったり、地域NO1だったり、従業員の待遇改善だったりなど経営者によって異なります。また、複数の経営の目的を持っていらっしゃる方も少なくはありません。コンサルティングやセミナーでも、本人が「腹落ちする」目的を持たないと、いくら経営計画を立てたとしても実行することは難しいとお伝えしています。

 

●目標には”ワクワク”を

 ダイエットに成功して「やりたいことの多さの分だけ、ゲストが目標を達成するチャンスが増えると思います」

 前項と関係しますが、経営者にとっての「腹落ち感」の中にやりたいと思うワクワク感が必要なのかも知れません。自分自身それでワクワクするのか、それとも外部から与えられた(期待された)目標なのかによっても、経営者の目標に対するマインドはずいぶん違ってきます。

 

他にも自分を変える極意について

 

 ●数字で変化を追いかける

     ●小さな「できた!」を力に変える

 ●今日やることを第三者にコミットメントする

 

など多くのコツが書かれています。コンサルティングを通じて多くの経営者や社員が変わっていく姿を見てきました。本書を読んで人が変わることは、ダイエットであろうと、経営者の成長・社員の人材育成であろうと似通っている部分が多いと感じました。

 

 

 

 

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2018年1月

 「選ばれる理由」を見つけだそう。

 

 コンサルティングやセミナーで「選ばれる理由」を考えましょうとお伝えしています。「他社ではなく自社をお客様が選んでくれる理由は何だろうか?」それをしっかりと握りしめない限り、いくらPRや営業をしても、成果が出にくいことがあります。

 

 この「選ばれる理由」を経営者や社員と一緒になって探り出していくのですが、一つの考え方として、自己分析の考え方である「ジョハリの窓」をベースに見出していくことができます。

 

「ジョハリの窓」は、心理学者のJoseph・LuftとHarry・Inghamが考案したもので、人の心には、4つの窓があると考えています(右図)。この4つの窓は自分の意思で大きくしたり小さくしたりすることが可能で、それぞれの窓を操ることで、それぞれの窓の大きさを変えて、人間関係をスムーズにし、コミュニケーションの円滑化を図るとしています。それをベースに、企業における「選ばれる理由」と関連付けるとどうなるでしょうか?

 

①「開放の窓」

 これは、自社もお客様も知っていることで明らかな事実です。現状のPR内容になっていることが多い部分です。

 

②「秘密の窓」

これは、自社では当たり前となっていることが、お客さま(特に新規顧客)が知らない部分です。それは、社内の取り組み・歴史・こだわりなどが挙げられます。経営者と面談をしていると、お客さまに知られていない数多くのことが掘り起こされます。「これってお客様にPRしていますか?」とお伺いすると、「ほとんどしていません・・・」という場面が多く見受けられます。この掘り起こされたことをPRに活かせないか再検討することができます。

 

③「盲点の窓」

これは、お客様は知っているものの、自社は気づいていないということです。それは、「お客様の声」になります。この「お客さまの声」を集めると、自社が想定したことと違った意見が得られます。もちろん、いい意見・悪い意見様々ですが・・・私の場合で言うと、経営者と話をしていると、「ぐしゃぐしゃだった頭の中が交通整理されていくようだ」とおっしゃって頂きました。当初は意外だったですが、今ではそれをPRポイントにしています。自社が知らない自社は意外にも多いものです。

 

④「未知の窓」

これは、自社もお客さまもその時点で知らない・気づいていないこと。私は「新たに選ばれる理由を創る」としています。これまでの「解放の窓」「秘密の窓」「盲点の窓」は、主に「今、選ばれている理由」についてです。今の選ばれる理由だけでは、不十分であれば(お客さまが他社を選ぶ状況)、「選ばれる理由を創る」ということが重要になります。

 

ジョハリの窓の4つを、企業について当てはめて考えてみました。支援先にどれが今、力を入れるべきかヒントになりましたでしょうか?自社が選ばれている理由を見つけて(もしくは、創り上げて)、PRする。これが売上アップの基本的な考え方です。

 

 

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